Daily Archives: 2018年3月1日

四季の路(みち)

新宿は、みどりの無い無機質な街だ、と思っている人は多のではないでしょうか。 今日は、世界にその名を知られる「歌舞伎町」と「新宿ゴールデン街」の境界線でもあるかのような「四季の路」で、豊かな自然が満喫できることをご紹介します。 この公園は新宿区が管理するもので、正式名称は「新宿遊歩道公園 四季の路」です。名前の通り、季節折々の樹々の息吹を楽しみながらノンビリと散歩する細長い遊歩道です。 「四季の路」の南側入り口は「靖国通り」に面しています。歌舞伎町の東端で、新宿区役所の分庁舎横交差点を渡ったところに在り、存在感を主張しない佇まいです。               この遊歩道の左右には、常緑樹、季節感を満喫できる落葉樹、が巧みに配置され、緩やかなカーブを描く造りです。「靖国通り」側から入ると、右手が「ゴールデン街」、左側が「歌舞伎町」です           一か所、この遊歩道と交差する道があり、「歌舞伎町」と「ゴールデン街」にそれぞれ入ることができます。 この遊歩道の両側を見ると、左右何れも「四季の路」に面する建物は、背中を向けています。公園に面して正面を向いているのは、最近開店した焼肉屋さんだけです。               実はこの遊歩道、かつては路面を走る「都電」の線路が走る軌道敷でした。そのため面する建物はすべて背中を向けていて、そのまま今日に至っています。 かつて「都電11番線」は「新宿」と「月島」をつないでいました。新宿から見ると、靖国通りに面した歌舞伎町前を始発として、江東区の「月島」まで、東京の街を東西に長い距離を走っていました。この「都電11番線」は、新宿から四谷・麹町を通り、皇居半蔵門に突き当たって、お堀に沿ってぐるっと警視庁方向に右回り、桜田門を左手に見て、銀座四丁目交差点を抜け、東銀座を通過して、築地魚市場に達し、終点の月島、という花の東京のど真ん中を肩で風を切るかのごとく走った、堂々たる路線でした。 利用客には、霞が関に努める公務員、丸の内の会社員なども多く、新宿の飲食店の親父さん達も築地市場まで毎日の仕入れに利用していました。 都電は、交通渋滞解消のため、ほとんどが廃線となり11番線も昭和45年に廃止されました。現在では、ほとんど軌道敷内走行で道路を走らない「荒川線」だけが残っています。 話しを元に戻して、「11番線」が一日の勤めを終えて車庫に帰っていく引き込み線が、廃線後にこの「四季の路」に生まれ変わりました。「四季の路」の途中に、通路の中央を引き裂くかのような植樹スペースがありますが、これは単線が途中で入れ替わるための、すれ違い場だったところです。               さらに進むと、以前、窪地だった場所には橋が架けられています。わずかな落差ですが足下に群生する笹が風になびく風情は、せせらぎを渡るようで楽しくなります。               当時の都電の車庫は関係者の官舎も併設していて広い敷地でしたが、現在は「新宿区文化センター」となっています。だから、靖国通りから新宿区文化センターに行くにはこの「四季の路」が便利です。新宿の街歩きで疲れたら「四季の路」で、樹々が発する酸素を深く吸い込んでひと休みしてみませんか。

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